準コンプリメンタリーパワーアンプ

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 最近はデジタルアンプばかりなので久しぶりにアナログアンプを聞いてみたいと古いアンプを引っ張り出してきました。

 今では骨董品?並みの昭和レトロな準コンパワーアンプで、その昔半導体パワーアンプの出始めに大容量のコンプリパワートランジスタがまだそれほど出回っていなかったので出力段をNchだけで構成したパワーアンプです。

 要は(小出力だどまだ入手し易かった)ドライブ段のみコンプリを使用して、ダーリントンとインバーテッドダーリントンで見かけ上コンプリ出力段に見せかけたものです。

 まあこれでも勿論ちゃんと動きますし、むしろコンプリと称しながら怪しいパワーTrよりましかもしれません。勿論この回路でディスクリートで組んであったのですが、初期状態では若干問題があってそのままお蔵入りとなっていました。

 というのは初期から出力にDCオフセットが100mV以上出ていたので、流石にそこは調整しないといけないだろうと思いましたが回路を解析してまでは面倒でそのままにしていました。昨今暇に任せて回路を見てみるとDCバランスの調整は初段の差動バランスで行うか、ドライブ段の動作点を変えると調整できることが解ります。

 実際に差動バランスの調整では余りDCオフセットの変化量が取れず駄目で、もう一つのドライブ段の動作点を変える方の手段では図のR10の1kΩを増やしていけば上昇して調整できますから、結果としてこちらの方が正解で約1.5kΩまで上げると出力段のDCバランスが取れました。

 後は使用できる電源電圧範囲も不明確だったのですが回路を見れば(回路図のTr名はシミュレーションのため適当です)まあ放熱をしっかり行えば±20Vから±50Vぐらいまでは動作しそうです。

 中低域のオープンループゲインは70dB以上ありそうですからNFは40dB以上かかり、特性的には問題無さそうです。音はやはりまったり系かな。

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この記事へのコメント

村山正之
2024年04月07日 23:13
これ、初段と、ドライバー段のバイアス電流が定電流化されているので良い回路だと思います。0V調整は、R1 R2の100オームの抵抗値の変更です。ここを固定抵抗にせず、200オームの半固定にして、両端を差動回路の各TrのEに、タップの中央端子を下の定電流回路につなぎ、タップを調整することで簡単に0V調整ができます。

ケン
2024年04月08日 08:40
村山さん

ケンです。コメントありがとうございます。こんなディスクリート回路も懐かしいですね。またよろしく。