空気録音の効用

自宅などの再生音を聞いてもらう為に、リスニングポジションでの生録が公開されていますが、カタログだけなどよりはずっとマシとはいえ中々これだけでその装置を判断するのは難しいものです。
しかしその場で空気録音とソース音源と比較できるとその装置の性格をつかむ上でかなり参考になりそうです。
生音をN,記録された生音をS,再生時装置により付け加えられてしまう変化をα、録音による変化をβとすると我々は普段聞いているのは
再生音 音源
S(1+α) <-S
でこれをいかにNに近づけるかがHifiということになます。SはNとも言えますがS自体とNとの関係が曖昧なので正確には判断できません。録音に立ち会っている生録なら少しは近づけるかもしれませんが、これとて記憶は徐々に薄れてしまいますし、音源Sの中身は直接把握できないことも評価を難しくしています。
またリスポジでの再生音の生録(空気録音)を考えてみるとこれはその音源は
S(1+α)(1+β)
となり、ここで録音系は比較的再生系よりHifiだと考えられるので、その変化を無視すれば直接その装置の前で聞かなくとも間接的に装置の評価にも使えるかもしれません。ただしこれも通常のリスニングと同様Sの内容とNの関係が曖昧で直接把握できないのは変わらないのですが、録音をそのものを新たな音源とすることができるので汎用性は広がるメリットはあります。
ここで別の視点で、その両者のソースを同じ再生装置で再生させることを考えてみると、βを無視すればと空気録音の再生は
S(1+α)^2<-S(1+α)
となり一方音源Sを直接再生した時は
S(1+α) <-S
となります。
両者の再生を比較すれば空気録音の方が再生系の変化(1+α)の分が2回分重なり、元のソースとの比較により再生系の影響が強調されて聞けることになります。またどちらも音源が明確なので繰り返し比較でき特性αの把握が容易になると思われます。
この記事へのコメント